廃業した農園からブルーベリーの苗木を引き取り栽培したら美味しさに感動した話

 
我が家の庭にはブルーベリーの苗木が2本あります。毎夏たわわに実ってくれる夏の果物です。
庭で完熟生ブルーベリーが摘み取れる生活なのでスーパーマーケットや産直市場で購入することは一切なくなりました。冷やしてデザートとして食べたり、朝食のヨーグルトに添えたりしています。
 
市場流通するものの多くは輸入&冷凍モノなので、ブルーベリーは酸っぱいイメージを持っている人が多いはずです。ところが、完熟したブルーベリーってギュッと甘いんですよ。凝縮された一粒の甘さは感動すら覚えます。
 
 
遡ること3年前、2020年。当時のハダは㈱西粟倉・森の学校に勤務し、新規事業としていちご農園を立ち上げようと準備をしていました。
鳥取市内のブルーベリー農園が廃業するため、苗木の引き取り手を探しているという話を聞きつけ、部下と一緒に苗木をレスキューしたのでした。
 
15年モノの苗木が15,000円、もう少し小ぶりな10年モノは10,000円で購入しました。
高いのか安いのかはよく分かりませんが、ゼロから苗木を栽培する手間と時間を買ったような気分でした。
廃業したブルーベリー農園で苗木を購入できるという一風変わった機会自体が面白くて、その場のノリと勢いで苗木を2本購入したのでした。
 
 
当時、立ち上げ準備をしていたいちごは冬〜春が収穫時期です。1月から5月まで収穫できるので「いちご」と覚えると分かりやすいですね。
ブルーベリーは8〜9月に実ります。いちごが収穫できない裏(真夏)にブルーベリーが収穫できれば面白いねと考えていたものでした。
 
 
メロンやスイカなど大きな果物の市場は軒並み下がっています。ほら、スーパーマーケットでも玉単位ではなく、単身者や核家族向けにカットしたパイナップルやスイカが売られるようになりましたよね。
逆にいちごのような小粒果物の市場はあまり落ちていません。一方で、小粒ゆえに収穫コスト=人件費が掛かりやすい果物でもあります。
いちごもブルーベリーもエンドユーザー向けの果物狩りを中心に事業を組み立てることが可能ではないかと考えていました。農家の手間としての収穫ではなく、お客さんの体験価値として提供したかったのです。
 
その結果、生まれたのがいちご摘み体験ができるレストラン&ショップ BASE 101%でした。
2022年にオープンして1年半が経ちましたが、年間3万人以上のお客さまに足を運んでいただける施設になりました。
 
 
基本的にはお天道様まかせのブルーベリー栽培です。
気が向いたら肥料をあげたり枝の剪定をしたり…と素人農業感が否めませんが、毎夏2−3kgは収穫でき、我が家の夏の食卓に彩りを添えてくれます。
 
この年齢になるまで「ブルーベリーを食べたい!」なんて思うことはなかったのですが、それは美味しい生ブルーベリーを食べたことがなかったからなんですね。
今ではジリジリと照りつける夏空の下でブルーベリーを摘んで食べるのが楽しみになりました。